珊瑚のようなもの

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年月日:2016.6.21
サイズ:-
素材:プラスチック
場所:沖縄、宮古島
発見者:撮影助手S、下道基行

"something like a coral"
date:21.6.2016
size:-
material:plastic
place: Okinawa, Miyako-island
discoverer: Photography assistant S, Motoyuki Shitamichi



沖縄の島々に撮影に来ている。
その傍らで「新しい骨董」を意識している自分がある。

宮古島の浜辺には、巨大な岩がゴロゴロと転がる異様な光景を見る事ができる。これらの岩の多くは1771年の明和の大津波によって海岸から運ばれてきた津波石と呼ばれるもの。僕はこの250年前の津波の遺物を撮影しながら、2011年に陸地に打ち上げられた船たちのことを想像していた。災害を思い出したくないという地元の強い意志で、すべて撤去された船たちがもし残されていたら…、何十年後に津波を知らない人々に何を訴えかけたのだろう……と、過去の石を見ながら、今はなき5年前の船の未来を想像していた。 

暇を持て余していた撮影助手Sは、砂浜に打ち上げられた美しい貝殻や珊瑚の欠片を拾い集めていた。浜辺に打ち上げられ堆積している珊瑚は死んだ後に骨になったもの。
木陰で休憩をしている時、二人の話題は、珊瑚の持ち帰り事件のこと、さらに「拾った貝殻や珊瑚は「新しい骨董」としてここで販売できるのか?」ということになった。事件というのは、数年前にネット状でアイドルが珊瑚を家に持ち帰り、「家族分で5つ 今も、家に飾ってます。笑」などとネットでコメントをした所、”浜辺の珊瑚を持ち帰っては行けない!”などの攻撃に会い、謝罪したこと。
携帯でネット検索を行なうと、この事件は珊瑚を特別に持って帰っては行けないという法律があるわけではなく、「国の法律では、国有地である浜辺から貝殻を含む海岸の”土砂”は一切拾ってはいけない」という決まりに単を発するという事が分かった。つまり、許可の無い(セメントなどの)業者が大量に国有地の土砂を使用できてしまうと景観が壊れてしまうし、珊瑚をお土産物屋さんが大量に置物にすると浜辺が変わってしまうかもしれないし、人々が国有地の木々や落ち葉を拾いまくるとやはり景観が壊れてしまう、そういうために作られた法律だろうと想像する。
つまり、やんわりと個人の為の楽しみ程度なら無視されているようなことで、逆に許可を取ろうとすると「ダメです」となるようなこと。

(これは裏輪呑みや路上の文化にもいえる事だ。)
つまりこのサイトで行なっていることも、路上で拾ったゴミのようなものを売っているが、「拾得物として警察に届けないと行けません!」などというネット攻撃を受けかねない。しかし、道ばたのゴミを警察に実際に持って行くと、たぶん、警察が困る。(今度持って行ってみよう。)逆に、ゴミ箱に持ってく方をみんな望むのではないか。(そのゴミ箱行きの物たちを、ここでは並べて、意味/価値をつけてみているだけのこと。)でも、法律を持ち出して騒ぎ立てる事も可能かもしれない。

撮影助手Sは泣く泣く珊瑚の欠片を元あった場所に戻す事にした。
ただ、”珊瑚のように見えるもの”を浜辺で探した。それは珊瑚のように白骨化したような日常の欠片(=海洋ゴミ)。たぶん、これは犯罪行為ではなく、【清掃行為】。

そういえば、2011年に津波で壊された日常の欠片は、海に流出し、太平洋をアメリカ方向に渡り北上し、半時計回りに巨大な船のようにして移動して、約10年後、東京オリンピックか翌年あたりに、再び日本に漂着するという。10年前に破壊された日常の欠片は海を渡りどのような姿で、再び10年後の日常に寄せるのだろうか。


(下道)

※ 沖縄から帰宅後、発送準備をしていた時、この商品の大きな方の「珊瑚のような物」を旅の移動等で紛失したことに家がついた。すぐに購入者に連絡し、別の「珊瑚のような物」での代用を提案、ご理解頂く事になった。(写真欄一番右)